どこだっけ?と漁ってみたら40周年記念本にありました。

池田先生・萩尾先生の対談
池 宝塚も作っているのは全部男の人だったから、当初はやっぱりね
オスカルを女っぽくしたいわけ。
アンドレに対しても「あなたの妻にして」って言わせたの。
原作ではそんなことは言わない。そういうキャラクターで描いているのに
男の人が作ると変わっちゃう。
萩 男性のファンタジーがどうしても入ってしまう。
池 女はこうあるべきだっていう考えはなかなか抜けないですよね。
宝塚初演時のお話。
女は…男は…“こうだろう”という決めつけゴリゴリだった時代。
今なら原作をとんでも解釈する事も少ないと思いますが
センセ、最初からかっ飛ばされてましたのネ 

これは原作利用のことですが、そもそもの一般著作物について。
ドラマ性のある創作物では、作者の性別によって
男ならではの女性像、女ならではの男性像が見えてきますよネ。
実家暮らしだった頃、家にあった男性作家の現代小説(昭和)を読んで
なんでこうなるの?と腑に落ちないことがありました。
男性ファンタジーが入り過ぎていて、書かれている登場人物の
女性の思考(による行動)が理解できませんでしたのよ (苦笑)
強すぎるファンタジーは読者を選ぶかもしれません


出崎監督インタビュー
俺にとっての原作は、ある新しい世界を作るためのきっかけです。
ほかの人は、ふざけるなって言うかもしれないけどね。
違いを1ミリも許さない原作命!な人には怒られるでしょうネー

これはTVアニメ『雪の女王』についての語り。
出崎監督にとっての原作は、新たな作品を生み出すための種…。
ベルばらは途中交代で参加した作品なので、始まりと終わりで
ずいぶん変化しているのは御存じのとおり。
私的にはこの形が良かったのかも…と思っています。
前半後半・共にこのくらいの匙加減におさまって良かったかと。
40話と短縮された事、スケジュールに余裕がなく
追っかけ制作らしき状態だったことが、出崎カラー全開に
出来なかった要因の一つでは?と想像します。
途中からとはいえ、時間と話数に余裕があればもっと改変したのでは?

本当にやっていたら、今とはまったく違う作品になったでしょうね。
ベルばら第38話「 運命の扉の前で」には、自分の中でどうしても
納得しきれなかった場面がありました。
「アンドレ、命じてくれ」←これはにゃい

ここだけむっちゃ分かりやすく監督の考えが現れていたのですね。
私にとっては宝塚初演「あなたの妻にして」同レベルのびっくり箱。
他の場面は暗示的だったりするのに、なぜここだけこうなのよ~~
監督ぅ~

暗示的…ベルばら以外の出崎監督作品は、その半分も見ていませんが
受取手次第で如何様にも解釈できる部分があり、尚且つ監督も
それを是としているところが好きでした。
…あぁだけど38話。
あそこだけはもっと違う表現にしてほしかったなぁ~~ 

と、ほたる場面よりも思っています 。