《 第39話  あの微笑はもう還らない!  》 つづき



‐‐‐ アンドレ、応えてほしい…もはや全ては終わったのだろうか ‐‐‐‐‐


消え入りそうな、頼りない呟き・・・。
彼への記憶に繋がる愛馬を失い、帰る場所も
心の拠りどころもないまま、あてどなく街を彷徨うオスカルさん。

そんな時。
ここで語り部の詩人(故人)と、その息子に行き遇ったのは
物語後半、長い長い伏線の結末だったのでしょうか。

生前アンドレは、この詩人から励まされていた事もありましたが
オスカルさんは知らず、その息子から一筋の道を示されたようです。

愛する人を失ったのは自分だけではないのだということ。
そして、どんなに辛い事、苦しい事が起ころうとも、セーヌは流れ
いつの時も変わらぬもの、変わらぬ営みが、そこには在るのだという事を。
誰にとっても平等に、明けない夜はないのです。

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陽は沈み、陽は昇る。

疲れ果て、倒れ込んでいたオスカルさんを目覚めさせたのは
バスティーユへ向かう市民の声でした。

そこへ迎えに現れたアラン班長。
アンドレと錯覚し、口元を綻ばせるオスカルさんが切ないです。
(脚本にダメ押しされてると判っていても泣かされます…

でもですね、ここはアランがいてくれてよかったと思うのです。
アンドレの無念とオスカルの苦しみ。
この時、両方を察して思いやる事が出来るのは、彼しかいないでしょう。
(ロザリーでは不足。ベルナールは論外)


もう一度だけ、これで最後だ。泣いてもいいか
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悲しみ、苦しみがなくなる事はないのだけれど
すべてを、ひとりぼっちで泣いて耐えるよりも
その辛さが判るであろう人に受け止めてもらえれば
それだけで随分、違ってきますもの。


そして再び戦場へ戻っていくオスカルさん。
どんな時も「今その場で、出来うる最善を尽くす」姿勢は変わらないのですね。
どこまでも、すべての物事に真摯な人でした。


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さようならオスカルさん。