第22話 首飾りは不吉な輝き

「シュブルーズはどの辺でしょうか?」
トリアノンからの帰り道、アメリカ独立戦争から戻ってきた兵士が通りかかり
馬上の二人に声を掛けます。

「戦友の形見を、遺族に届けてやらなきゃあ、ならないもんで」
という言葉に、戻ってくる気配のないフェルゼンさんを連想し
遺品の入ったカバンを凝視したまま、動けなくなるオスカルさん。
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後ろについていたアンドレさんが、すっと馬を進め、すかさずフォロー。
「ご安心なさい、シュブルーズはこの辺りです。お送りしましょう」
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こういう自然体のフォロー職人な部分が、個人的に好きなトコロ~
ですがまあ、それは置いといて。

この時のオスカルさん、何に動揺しているのか何を考えていたのか
その辺りの説明は一切ありませんが、続く酒場の場面でアンドレさんが
唐突にほろりと慰める事で、彼女の内面を浮かび上がらせておりました。


「だが安心しろよオスカル。必ず生きて帰ってくる、フェルゼンは」

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「調べたんだ、少なくとも戦死の通知はまだ届いていない」
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「何を言っている、何の話だ…いきなり…」
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揺れる瞳を瞼で覆い隠し、口先で誤魔化そうとはするものの
辛さ駄々洩れなオスカルさん。。。

この時のアンドレさんは、消息不明の”友人”を心配するオスカルさんを
慰め元気づけようとしているのだと思いますが、その慰めに対し
金髪さんは、妙に動揺しているように見えませんか?
不安な気持ちを抱えている事を、知られたくない感じがぷ~んぷん。

もしかしたら友人ではなく、恋しい人を心配する心が芽生えていて
その揺れる気持ちを自覚し始めていたからかな...?
と思ったのですがどうかしら。まだ無自覚?それとも?

戦場から戻ってこない友人を心配する気持ちは、別に恥ずかしい事でも
何でもないはずですが、もし恋心成分がそこに混じっていたとしたら
アンドレさんには悟られたくなかったんじゃないかナ~?
彼女自身、今まで持ち得なかった、まったく未知の心情ですし
何から何まで気持ちがバレバレというのも…ちょっとね

もっとも、このしばらく後、ドレスをまとい気持ちを整理整頓しに行く頃には
幼馴染君にどう見えているかなんて事は、まーったくお構いなし!の
眼中外になっちゃってるので、それはそれで、ちょっと不憫なアンドレさん。。。



アニメ様のアニメ語りでは、ベルばらはアップが多いと言われていましたが
その通り、一つ一つに、ちゃんと繊細な心の変化が籠められているので
その分、アップ自体が印象に残りやすいのだとも思いますよ