眼のデザインのみならず、演出変化も大きかったベルばらアニメ。

初期は目の中に稲光が走ったりする以外にも、画面全体を使った
ハッキリした表現が主で、喜怒哀楽がとても分かりやすい展開でしたが
後期は一転、視聴者に「察してください…」と言わんばかりの寡黙な演出に。

 第27話 たとえ光を失うとも…

「おまえの眼でなくて、よかった…本当に」
27-(50)
27-(49)
名をよんだきり気持ちが言葉にならず、顔を伏せてしまうオスカルさん。
こちらに限らず、中盤以降は特に目を閉じる場面が増えてくる印象ですよね。


同27話では、続いて単身、パレロワイヤルへ乗り込みます。
そこで型通りの丁寧な挨拶をするジャルジェ准将に対し
皮肉交じりの挨拶を返すオルレアン公。

「反国王派の汚名にもすっかり慣れましてな
それはそれは毎日健やかに暮らしておりますよ」

27-(48)
27-(7)2
それに対し、あえて反応は示さず、目を伏せ表情を消したまま一礼。
同じ顔を伏せる動作ですが、全然意味が違いますのん。
単身敵地に乗り込む無鉄砲さとは反対の、大人な対応。
子供時代の直情的な部分を思えば、随分と成長しましたよね~とかなんとか。
よくよく数えてみたら、この時すでに30代突入でしたか !?


久しぶりの登場となったオルレアン公は、担当の声優さんが交代され
やや線の細い声質になりましたが、上目遣いで相手を伺う表情と相まって
これはこれで、枯れた老獪さが滲み出ていていい感じ。
見た目はこれで、以前の声優さんが演じたらどうなっていたかしら?
私的には、そちらもちょっと見てみたい気なる場面でした。


 第36話  合言葉は "サヨナラ"

どうあろうと、王室と国民とが殺しあうような事になってはなりません」
no36 (5)
「もしそうなったならば、貴方あたくしを護ってくれますね」
「…私は、もはや、近衛を辞めた身でございます」

no36 (8)

no36 (6)
「軍をお退きください王后陛下。王室が、御自分の国の民に銃を向けてはなりません」


瞼を下ろしたり、瞳を揺らしたりする動きの多い後期ですが
この場面では瞬き一つせず、視線を外さず、ひたすら相手を見つめ続けます。
自らの思いが伝わるように。

原作漫画にはないこちらの場面。
台詞も当然オリジナルということで、結構好きなのだな…自分。
と今頃気づきました。切なくなりますの~ここを見ていると~あうあう

王家に対する愛情の根本は何も変わってはいないけれど
民に銃を向けるようなマネは絶対に出来ない。
勝手な見方ですが、オスカルさんがこれまで歩んできた
貴族としての生き方に、ここで決別したのだと思っていますわたし。
今迄の全てを捨てる事になるからこそ、あんなに泣いてるのではないかしら?

革命へと一気に向かう、ひとつの大事なポイントにもなっていますし
サブタイトルの"サヨナラ"はこの場面にかかっていますよね。