18世紀ヨーロッパ生活絵引  
都市の暮らしと市門、広場、街路、水辺、橋


こちらは発行元である、神奈川大学日本常民文化研究所
非文字資料研究センターの第二期研究成果報告書という事で
市販はされていないらしく?寄贈されていた図書館で拝見しました。
※逆に県立図書館等の、大き目めの施設なら寄贈されている可能性有り

門・広場・街路・水辺・橋をテーマに、パリ・ミュンヘン・ローマ・ロンドン
ウィーン・ヴェネチア各地の絵画・版画をピックアップし、細部の名称や
その内容について解説されています。
自分はパリばかりを追いかけてしまいましたが、当時の各都市間での
風俗の違いなどを比較できるのも、この本の魅力かも。
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上記はパリの【ポン・ヌフ(橋)とサマリテーヌ揚水所】
この当時の橋上にあるはずの高層建物群がなく、見晴らしのよいのが特徴。
絵画の制作年は1777年なので、ロザリーさんがジャルジェ家に引き取られた頃の
市中の様子でもあるわけですね

上流階級が所有する豪華な馬車以外に、座席に屋根のない馬車、荷馬車
箱型の人力車(籠とは違い、2人で運ぶ車輪付タイプ)が見えまする。
元の本はA4で、見開きに、どーんと大きく図版を載せているので
通常の書籍よりも、細部までよく窺い知る事が出来て好印象です。

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こちらは【サン・ドニ門】
パリへ流入する物品に課税するための関所的な門とは違う、象徴としての市門。
様々な階級と職種の人々が行き交っていますが、憲兵の姿もちらりほらり。
先ほどの橋にもその姿がみえ、この頃の民衆を描いた絵画・版画には
必ずと言ってよいほど憲兵の姿もあるそうです。
けんぺい…といえば、アニメ版でラサールを検挙していたあの辺の人達でしょかネ?


という事で、私などは学術的興味というよりも、ベルばら世界を
脳内で補完するために、興味本位で眺めている人間なので
こういう本は見ているだけで、むっちゃ楽しかったのでありました

研究してくれてありがとーございます神奈川大学さん
全二巻予定だったようですが、もう続刊は無しになったのでしょうか?
このように密かに楽しみにしている一般人もいるんですけどね~



 神奈川大学非文字資料研究センター
http://himoji.kanagawa-u.ac.jp/index.html