「 バラは、ライラックにはなれはしない
 オスカルが、オスカルじゃなくなることなんて出来はしない 」



ベルばらアニメ版では、誰かさんが大暴走の果てに
やってもうた…
とばかりにこちらのセリフを吐いたのが第28話の事。
その3つ後、第31話が "兵営に咲くリラの花" なのですが

ライラックは英名。
フランス語ではリラ。

ディアンヌちゃん登場回という事で、リラというのは彼女の事を
指しているかと、単純にそう思っていましたがどうでしょうネ?

CIMG9131
実際のライラックはこちら 和名は丁香花(ハシドイ)
ライラック
お花の写真集 http://www.flower-photo.info/

女の子女の子していたディアンヌちゃんには、ぴたんこな
花かも…と、のほほんと思っていましたら、ライラックには
ちょっとびっくりんちょな伝説がありました。

とある貴族が田舎で村娘を見初め、熱心に通った末
結婚の約束を交わしました。
それもつかの間、貴族は他の貴族の娘に心変わりし
裏切られた村娘は、傷心の末、死んでしまいます。
その娘の墓に、友人がたくさんのライラックを供えたところ
薄紫だった花々は、翌日、真っ白に変わっておりました…。

というお話。
他にも、婚約解消を伝えるのに薄紫のライラックを贈ったという
話もありましたが、そちらはこの伝説からきているのかな?

探しても、話が単独で載ってる本は見つからなかったのですが
少しニュアンスの違う、最初から騙すつもりの貴族と
それに絶望した村娘が死んでしまうバージョンもありました。

ともあれ、貴族の男に純潔を奪われる点と、裏切られた娘の
埋葬されている墓に供えられたライラックが、色を変えるのが共通事項。
イギリスのハートフォードシャーの墓地には、今でも
その白いライラックが咲いているというおはなしです。


最初読んだとき、出来過ぎ て思っちゃいましたよーん
細かい差異はありますが、こちらずばりディアンヌちゃんの流れ
そのまんまですよね?
まさかまさか?と思って、第32話ラストを見直してみましたが
ベットに横たわる彼女に降り撒いてあったお花は
さすがにライラックでは無さそうでした。
…残念なような安心したような気分…(苦笑)

漫画ではライラックやリラの例えは登場しないので
アニメ版製作スタッフ…というかシナリオ担当者さんが
この伝説を知っていたうえで、サブタイトルの例えなどに
使ったのでしょうかね?単なる偶然?
考えすぎかしら~


ふりだしに戻って、冒頭に挙げたアンドレさんのセリフ。
薔薇と対比させてライラックを持ち出しているのは
まあこの、ディアンヌちゃんへの流れに続ける意図があったとしたら
凄いなーと思いますけど、そうではなくて、単純にライラックが
パリでは一般的な、馴染みある存在の花であったからだと思います。
現代のパリの様子は、行ったこともないので分からないんですけどネ