本は大判だけど、コンパクトにまとまってるなぁ
と思ったらINAX発行。ご本家発行のトイレ通史でした
その中からフランス関係だけ抽出メモメモ。


ヨーロッパ・トイレ博物誌
(海野弘他 INAX出版)より

inax

ヴェルサイユ宮殿には、背もたれ、物入れなどの
豪華な調度つきコモード式トイレがあり、ルイ4世の使った
そのトイレは構造的にはおまるであった。
またヴェルサイユ宮殿の財産目録には274の椅子トイレが記載され
うち208は下に受け皿だけのもの、86が引き出し付きの高級家具で
ビロードが張られ、房飾りがついていて、各寝室の隣の衣装小部屋に
収納されていた。

ルイ14世は英国式トイレ、テラスの貯水槽と糞尿溜めへ
鉛管で繋がれたものを使っていたと伝えられる

ヴェルサイユ宮殿が作られたばかりの時代
目録に載っているという事は、財産扱いされるレベルの
立派な家具タイプだけを記録したという事かしら?
簡素な裏方用は、財産扱いしないだろうから除外~。
部屋タイプがあったとしたら宮殿の設備という感覚かな?



1710年 ヴェルサイユ宮殿にビデが登場する

1722年 パリには排泄物と死骸のための廃棄場が3つあった
(王令によってセーヌ河に汚物を流すことが禁じられていたため)

1728年 ルイ15世は新式の浴室をヴェルサイユ宮殿に設置した

1739年 パリの舞踏会でトイレのある部屋のドアに、はじめて
男女が区別して表示された

1771年 オルレアン公はパレ・ロワイヤルに12のトイレを造らせ
紙は無料で使用料2スーで使わせて営業した


あの壮麗なヴェルサイユ宮殿にはトイレがなかった、といった
言い方がされたりする。
これは正確ではないが、たしかにトイレは少ない。
つまり、クロース・ストールがつかわれていたのである

高級家具タイプのトイレがメインに使われていたため
固定された部屋タイプのトイレは少ない。という事ですか。
家具タイプが便利だったせいで、今風の個室トイレの発達が
遅れたかもしれないそう あらま~


ルイ14世の末期に、英国式椅子がすでにフランスでつくられ、
ルイ15世やルイ16世、マリー・アントワネットも
この英国式トイレを使っていたと述べている。
英国式トイレとは水洗式を意味している。

王家の人々が ”英国式” トイレを利用していたのは
確かなようだけど、ルイ16世時代には、同じく英国から伝わった
ドライ・プリヴィーというタイプが利用された可能性も…。
水ではなく使うのは土。

家庭のトイレとしては、アース・クローセットでは、
ウォーター・クローセットに先行している。
しかし両者の操作原理は同じで、一方が乾いた土を使い、
もう一方は水を使うのである。

なるほろ~猫砂のようにかぶせる式なのにゃ。
土で覆ってしまえば匂いも即時シャットアウト