長年のmy謎が1件解決しました。
…いちお。じぶんなりに… へへ



ベルばら第24話
《アデュウ わたしの青春》本編冒頭。

脱獄したって本当かい?
さすがジャンヌだよ
no.24
逃がしたのはよぅ、ひょっとしたら王妃かもな
まさか
~略~
でもさぁ、逃がしたのは王室に反感を持ってる
      貴族達だって噂もあるわよ
ベルサイユも中はだいぶバラバラだって評判だねぇ


片足の吟遊詩人がひとり歩く姿に重なり
ジャンヌ脱獄の噂話をする市民諸君。
計ってみたらこちら、約30秒弱の場面。
あらま。思った以上に短い時間でしたのね。

ここに流れる歌声をずっと謎と思っていましたが
この度、念願の原曲をフルで聴くことが出来ました。

Bryd one brere
-いばらの垣根にとまった小鳥よー

歌はナイジェル・ロジャース。
これですにゃ~嬉し~

さてさて原曲と放送部分とを聴き比べ。
30秒弱と短いので、曲も納まりよく切って繋いで使われていた状態。
元々曲は歌が三番まであり、流用の始まりは前奏付き一番だけど
繋いだ後半はやや聞き取り難く…たぶん三番終曲部分かと。

ブックレットに日本語訳歌詞が掲載されていたので
該当部分をピックアップ。

"小鳥よ、いばらの垣根にとまった小鳥よ"
・・・
"その歓びと幸せに 私は生まれ変わるのに"

あらら
ここだけ取り出すと意味不明?

原曲は中世の英語。それを現代英語に仕立て直したものを
和訳されたようで(違う解釈があるかもしれないけれど)
全体は、自らの悩ましい心を小鳥に向かって打ち明けている形。

二番に出てくる歌詞
"かのあでびとを広間に見ると"
あでびと…って古語だっけ?と調べてみたら
『浮気者・移り気な人・風流を解する人』=『あだびと』
違う。これでも通じるけど誤字ではないよね。
じゃあ『あでやかな人』という意味で使っているのかな??

広間のある家に住む(出入りする)人であるなら庶民ではなく
一定レベルの豊かさを持つ女性を指している可能性が高そう。
もともと中世~近世にかけては、主君の妻(麗しの貴婦人)に対し
真実の愛を捧げる騎士道精神があるから、そちらの唄だったのかしら?

…と、そこまでいくと収集つかなくなるので一先ずおいて。
ベルばらでこの曲が使われていた意味を考えるなら
貴族とか宮廷人ポジションぽいかなぁ…王妃さまを指す?

"いとしさ募るかの女が
悲哀の淵からわたしを救ってくれるなら"
王妃=王室が自分たちを救ってくれていたら
豊かで幸せに暮らせていただろうに…的な流れだろうか?
と考えるのは、ちと苦しいかしらん

ぐるぐる迷っていた中、思い出しました。
アニメ版だけに要所登場する吟遊詩人の存在を。
この第24話冒頭では台詞なく、歩いている姿だけですが
ならば詩人を登場させず、一般市民だけでも表現可能だったはず。

もしや、この詩人さんの心情表現?
この人、他の場面では常に朗々と語っていましたが
激情をみせた場面が一度だけあったんですよね。

第25話フェルゼンさんが夜のパリを歩き
現在の王妃・王室がいかに憎まれているかを知る場面

『おとといタンプルでは女が死んだ
 子供に乳をやろうと働き過ぎて女が死んだ』
ここまで普通に節回しをつけて語っていたのに次の瞬間
『死ね!太った豚はみんな死ね』と吠えます。泣きながら。

歌に出てきたのが自らの家族・妻とは限りません。
口にする事で過去の記憶を刺激されている可能性もあるので。
それでもこの場面を見たとき、妻を亡くした人なのだなと認識してました。

Bryd one brere
一番の歌詞
"かわいい小鳥よ、お願いだ
どうか、わたしを憐れんでおくれ
それがイヤならば、掘っとくれ
わたしの墓を掘っとくれ"

この部分が特に詩人さんの辛さに寄せているよう感じ…。
過去、苦しい事があったらしい点、息子がいる事
詩人さんについては、それ以外の事はほぼわかりませんが。
愛していた妻が生きてくれていれば、自分は救われ
今とは違った幸せがまだあっただろうに…と。
はっ!
これは妄想です。わたくしの妄想ちゃんちゃか

それでも自分の中では、この歌は吟遊詩人に寄せて
選ばれた曲なのでは~という考えに落ち着きました。
もちろん確証はなく、断定なんか全然できませんけども。

たぶん大勢いるベルばらファンの中で
これを気にする人はほぼいないと思われますが
自分の中の長年の謎物件は、ここに落着いたしました。
これにて大人の自由研究終了~





 蛇 足 
関係ありませんが英単語「birb」
現在の英国ネットスラングで「可愛い鳥」だそです。
birdではなくbirbへ~