2018年07月

 
    少女漫画 
 それは 少女たちの 憧れがつまった読み物 
  戦後に生まれ、少女向けの漫画雑誌を中心に花開いてきました 
                                            


   美の壺  File451:心ときめく少女漫画      
   2018.8.29(NHKBSプレミアム)放送

身近なところに存在する「美」を取り上げ
その鑑賞のポイントとなるツボ処を解説するこちらの番組。
今回のテーマは” 少女漫画 ”


初めて大きな瞳を描き、少女漫画の礎を築いたお一人として
最初に高橋真琴先生が御登場。
今もコンスタントに描き続け、定期的に個展を開いていらっしゃるとのこと。
すごーい!
19歳で始め今年84歳。65周年だそうでおめでとうございます

番組内ではイーゼルに立てかけたキャンバスに向かい
丁寧に瞳にホワイトを入れている様子が映し出しされていましたが
手元の筆さばきはとても80代には見えませんでした。
画家と表記されていましたが、たしかに画家さんな雰囲気をお持ちの御方。
私、特別FANというわけではありませんでしたが、こちらを見たら
本物の画を間近で拝見したくなりました





続いて「花」について。
少女漫画独特の表現として、最初に「 花 を使ったのは手塚治虫先生で
説明文のフレーム(枠)を花で飾ったのがはじまりとの事。

表現手段としての「花」について、語り手として美内すずえ先生が御登場。
1960年代、女性漫画家が活躍する頃には、人物背景に花が多用されるように
なっていて、美内先生が16歳でデビューした当時は
『とにかくお花はきれいに描く』 という文化があったそうでした。
「 キャラクターの性格にふさわしい花をとばしていた 」ということで
姫川亜弓と北島マヤでは背負う花が違うそう。 あ。ホント。亜弓さん豪華だわー




他には”時代を映す 少女たち”として、現在に至るまでのヒロイン像変遷の紹介もあり
セーラームーンや、のだめカンタービレ、アオハライドなどの作品で解説。
この章では少女漫画の映像化を何点も扱っている映画監督三木孝浩氏がコメント。
「 ヒロインが能動的に動く作品が増えている 」
「 『それをしたら (自分が)傷つくからやめとこう』 を超えていく行動力が魅力的 」

うん。そですね。
…と監督の言いたい事もわかるけれど、昔から能動的なヒロインはいましたよね(笑)
映画化・TVドラマ化など、異なる媒体での再作品化がしやすいジャンルに
能動的ヒロインが多くなったという事はあるかしら?




少女漫画がみせる、ここではないどこかの物語。新しい世界への扉
その代表として、ベルサイユのばらが最後に登場。
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作中で、これら↑描いた事は自分の考えだけれども
「 この当時(連載していた昭和)の、意志を持って生きて、意志を持って働いている
女性たちの思いも代弁した、と思います 」と池田理代子先生は語られていました。

先生の自宅で撮影されたようで、映っていた、にゃんこも可愛いかったです。。。




ところで今回、番組始まってすぐ、テーマ導入部にBGMとして流れたのが
”坂の上のアポロン”劇中歌、マイ・フェイバリット・シングスだったのですが。
まい・ふぇいばりっと…私のお気に入りですってよ

この使い方、他にも音源は沢山あるでしょうが、さり気なく律ちゃんが歌っていた
ものを選んで持ってくるあたり、センス良過ぎて憎いでち~ <私の好みなだけ?







という目次につられ、ほいほい購入


  テレビアニメ魂    
山崎敬之 講談社現代新書


2005年に発行された本書の著者さんは、世間一般にはアニメがまだ
テレビマンガという単語で認識されていた頃から仕事をしていた方。
1968年から東京ムービー(現トムス)に在籍し、ベルばら制作にも
携わっていらっしゃいました。
1970年~90年代作品をよく知っている人に面白い本かもしれません。


著者さんが制作に関わったアニメ作品についての裏話や
当時の制作の様子をうかがえるこちらの御本。
巨人の星関連の話題が目につくせいか、長浜監督と一緒の仕事が
多かったような印象をうけます。
※長浜監督=ベルばらアニメの前期を担当した方


長浜監督のアニメ演出の方法論は、僕に言わせればただひとつ
「舞台そのまま」だった。
~略~
「芝居がかった」大仰な演技を、長浜監督はアニメにも求めた。
『巨人の星』の登場人物たちのあの「張った」話し方、あれこそが
長浜演出の典型だったのだ。

長浜監督って、いろんな意味で熱~~い監督さんだったようで
先の目次タイトルにあった通り本書第8章で、ベルばら制作現場で起きた
監督交代について触れられていました。


実際、田島さんの主張も無理はなかった。
舞台はフランス王侯貴族が華美を競うベルサイユ宮殿。
貴婦人たちが集っての優雅な会話において、なぜか星飛雄馬が花形満に
勝負を挑むときのような張った声を求められるのだから。
録音スタジオでほかの出演者たちが、「どうすればいいのかしら?」と
困惑顔で囁き合っていたのを僕も何度か聞いたことがある。


交代させられた監督は、ショックなど微塵も感じていないようでしたが
この著者さんは監督を慮って、同時期にベルばらの担当を降りたそう。
シナリオ担当と書かれていましたが、何話の脚本担当、と具体的には
お名前がどこにも見当たらないので、あがってきたシナリオをチェックしたり
ライターさんに手配したりするポジションだったのかしら?

この作品では、専門の声優よりも、舞台や映画などで活躍している女優を
声の出演に数多く起用する方針を採った。

田島さんのみならず他の方々を思い返してみると、なるほど~です

他にもちょこちょこ、スポンサーと視聴率などの関係にも触れられていて
視聴率高く人気ある作品でも打切りという、理解不能な事があったそうです。
人気があっても関連商品が売れないとか、売り上げがこれ以上
見込めなくなったらすっぱり打ち切り・・・凄いナ

テレビまんが(アニメ)は「たくさん物を買わせるための道具」としか
見ていなかったのですネ。当時のスポンサーは。
あんまり露骨だと、今だと反感買って大騒ぎじゃないかしら~(苦笑)


という事で、オスカル様の苦悩が気になって手に取った本でしたが
隠れている舞台裏も見えてきて、ちょっと面白い本でありました。


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  世界遺産     2018.7.22(TBS)放送
特別企画:マリー・アントワネットの世界遺産


時折似たような番組が放送されますが、こちらは映像の美しさに
力を入れているところなので、まずは拝見。

内容としてはシェーンブルン宮殿を起点に、ウィーンからヴェルサイユまで
約1500キロ、25日間の輿入れの旅の際、立ち寄った建物(世界遺産)
街並みをエピソードを交えての紹介でした。
各地の世界遺産群の映像、やはり綺麗ですネ~


少々脱線して、番組内に登場した資料とベルばらアニメについて。
いくつか当時の資料が差し挟まれていて、こちらは婚礼行列の版画。
アントワネット展の時も展示がありましたが彩色が違う版?
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角度的にわかりにくいですが、アニメ版輿入れ行列の馬車。
結構頑張って、資料を忠実に再現されてると思いません?
ガラス張りの辺りとか彫刻や馬車本体のラインなどなど。
色については"婚礼"用を意識して、わざとモノトーンにしたのかな~と想像。

もう一点、国境に作られた建物の資料
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残念ながら、この建物についてはアニメ制作当時、手持ち資料になかったんでしょうね。
デザインがまったく違う建物になっていますから…
でね。
この絵、よくみると右隅にオスカルさんがいるんですよ。コレコレ。
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             ほら <大嘘
軍服青だし、どちらかといえば実写映画版オスカルさんぽいでしょうか(笑)

今回は前編という事でウィーンからベルサイユまでの行程を。
次回は後編という事で、予告では「アントワネット最後の家」と題され
「初めて公開された」的なナレーションが入っていました。
初めてって何?と思いましたが、コレのことを言ってるのかな?↓と。

ディオールの資金援助でヴェルサイユ宮殿のマリー・アントワネットの離宮が修復
https://www.wwdjapan.com/611158

修復が完了し、今年の5月から公開されていたとのコト。へ~
あとはTBSが絡んでいる来年開催のハプスブルク展のための一端かしら?
個人的にはハプスブルク展よりも、この↓展覧会を見てみたいです。

https://www.wwdjapan.com/604754

あぁぁわたくし的ツボな資料や衣装がたくさん詰まっている気配ぐぁ…。
巡回展として誰か引っ張って来てくれないかしら~~。




バスチーユへの襲撃、陥落が7月14日のこと。
その時、命を落とした人々のためのミサが8月5日、執り行われました。

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 バスティーユの死者の葬儀 1789.8.5 

攻撃側の死者は98名、負傷者は73名にのぼった。
ほとんどの人々が貧しい職人か賃金労働者であった。
 ~略~
8月4日夜、国民議会ではあらゆる封建的特権の放棄が熱狂的に決められた。
新しいフランスの姿がほの見えている。その前に死者を葬らねばならない。
8月5日朝、ノートルダムの中は黒い喪の幕で覆われ、人々はひっきりなしに
死者のためのミサに集まってくる。
 ~略~
まだフランスがどこへ向かうかはっきりしていないとき、国家や議会が
バスティーユ占領に命を捧げた人々の葬儀を公然と挙行することは
なかったのである。


銅版画フランス革命史 読売新聞社



公式…ではなさそうですが執り行われた葬送の儀。
つい、忘れてしまいそうになるのですが、当時の人びとにとっては
バスチーユが陥落したからといって、これで一気に物事が進んでいくとは
少しも思っておらず、逆に再び王の軍隊が盛り返してきて、自分たちは元通り
鬱屈した暮らしへと追い返されたり、反逆に問われる可能性もあったのですよね。
なのでこのミサもどこか密やかな行動にも見えます…。
歴史のその後(結末)を知っていると、つい逆算して物事を考えてしまいがちになるので
気をつけなくちゃ


ベルばら漫画版では、バスチーユ陥落後の死者の行方については一切触れていませんが
アニメ版ではオスカルさん方々の墓は、アラスの丘にあると言及されていました。
アラスはジャルジェ家の所領なので「ああ、ちゃんと家族に送ってもらえたんだわ~」と
個人的にはひと安心しておりましたが、同じくバスチーユ攻撃の際に命を落とした
衛兵隊員の家族さんは、このミサに集っていたかもしれませんね…




さんがにち の基本。
12日 らぶらぶ
13日 出動。アンドレさんさよなら
14日 陥落。オスカルさんさよなら

これ合ってますかね?
漫画とアニメは同じ動きですが実写映画は少々違っていました。


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「だめだ。キミを失いたくない」
「しかし今こそ二人で行く時だ…愛してるよ アンドレ」

明朝のバスチーユ襲撃は、一人で行くというアンドレさんに対し
自分も一緒に行くというオスカルさん。ここでようやく想いが成就。

これが13日晩の事で、翌日あっけなく彼氏さんは銃弾に倒れます。

私、宝塚はよく知らないのですが、もしかしてこちらが最短コースでしょうか?
おまけに映画自体、そこで終幕だから「え!終わり?」という驚きの方が大きくて
他の事を思う余裕もございませんデス。

せっかく相思相愛になったのにあんまりじゃーん という感想はゼロ。
それよりも、最後の場面でぼっちにされちゃったオスカルさんが
放り出された籠の鳥、外界での生き方を知らないヒヨコちゃんに見えて
「この子生きていけないよ~ 」という心配が先に立ちました。

うーん。。。私的には感情移入は、し辛い映画かな。
他のファンの方はどうなのかしら~?




愛しい人の奏でるヴァイオリンを評する幼馴染くん。
そうそうアンドレさん、あなた、いいとこ突いてますね。

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モーツァルトの何を弾いていたのかはわかりませんが
力強さや華やかさとは真逆の、繊細な曲調であったかな?と想像。

アンドレさんは当然気づいていませんが、この時のオスカルさんは
「今夜ひと晩をおまえと」の告白直前。

彼女自身の内面の微妙さが、その奏でる曲調によって
表されているように見えました。

そーよそーよアンドレたん、君のせいでオスカルさんは
躊躇い入り乙女成分が滲み出てる状態なんですのよ。
こんな時にダイナミックな曲なんて弾けるはずがありませんのよ~





そしてこの後、告られたアンドレさん、思わず跪いて彼女の手を取ります。
この形、敬意を込めた最上級の愛情表現。
今でも外人さんのプロポーズに見える求愛の形でもありますよね。
これがさらりと自然に出てくるとは、なかなかよき男ですのん
と私の中でアンドレさんの株価上昇したのも束の間、あっさり狼男が出現。

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オオカミがきたぞぉ~!
オオカミさんがきちゃったぞぉ~~!


…食べる気満々に見えます。 アンドレさん。
おまけに羊さんのなんと可愛ゆいコトか!

この後の一連の場面も、とっても綺麗ですよね。
ちゃんと少女漫画の枠内に上品に収まっている感じ。
この絵柄と描き方と、両方揃ってはじめてそう思えるのかも。
&足を描いていないのも、生々しさがない理由かもかも。


ということで
7月12日の夜は幸せに過ぎてゆくのでありました
あぁぁ。
さんがにち初日はこんなに幸せなのにな~ん。






復帰会見も放送され、一般ニュースにも出回ってきてましたネ。


 高橋大輔さん現役復帰

おかえりなさい大ちゃん!おかえりさない!
また試合で滑りを見る事ができるなんて、これ以上のサプライズはありませんっ。
ああ嬉しすぎて目からお水がぁぁ~~~<感涙


TVキャスターも担当を終えた事だし、スケートに力を入れるというのは
どの辺を頑張るのかな?と思っていたら、まさかまさかの現役復帰。
ファン誰一人として、このタイミングでの復帰は予想しておりませんでしたよう。
(ですよね?)

復帰会見では、自分の考え・気持ちがなるべく正確に伝わるよう
丁寧に何度も言葉を選び、いつも通りばか正直にお話していましたね

会見のあと出演していた番組で、昨年の全日本で滑っていた
山本草太選手への言及もよかったですネ。
今後の彼への応援にもなったかと


「どんな曲にも、曲の雰囲気を醸し出す。曲そのものになる。
 細かい点を拾わないルールに変わり、細かい表現や
 音を拾ったり、感情を出すのが二の次になっている現状でも
 スポーツと芸術の融合をみせてくれる数少ない選手だった」

引退時の長光コーチのこの談話。私にとってはこれに尽きます。
どんなジャンルの曲でも、自らの中で昇華し磨き上げ魅せてくれた選手。
とにかく嬉しいです嬉しいです
また" 試合で "大ちゃんの素晴らしいプログラムを見られるという事が


ソチシーズン、せっかく日本で開催された世界選手権はケガの影響で不参加。
引退セレモニーもないまま、静かに選手生活にピリオドを打つ形となっていましたが
4年の歳月を経て、まさかの現役復帰!
…ぐふふふふ
さよならセレモニーしなくてよかったですね
今度こそ、やれる事はやり尽くした!と完全燃焼して欲しいです。
ケガだけはどうぞしませんように~真央ちゃんもラストシーズン苦しんでましたから~。

今、目指すのは全日本ということで、長光コーチのコメントでは以前のジャンプは忘れ
現在の身体に合わせてイチから作り直すというお話。なるほど~。
ショーでは跳んでいますけど、現在の身体能力・回復力に合わせた
ジャンプを再構築した方が、ケガの確率も低くなって安全に頑張れますね。

年末には出来ればいいとこに収まり、エキシでkroneをみせて欲しいです。
がんばんば~


dai
4年前、引退した最後のシーズンで一番きらりと光っていたのは
NHK杯だったでしょうか。<モロゾフコーチを泣かせたヤツ
この直後にケガをしたので、体が万全の状態で演技をした
現役最後の滑りは、この時のもの、という事になるのでしたっけ。。。
四年なんてあっという間ですね。




このところ革命前の禁書に関する本を読んでいました。
ベルばらでは首飾り事件後、ジャンヌが回想録として売り出した
暴露(捏造)本が該当すると思いますが、統治者や宗教への批判、ほか
猥雑・中傷をメインとした悪書と評される書籍についての研究本。
わたしレベルの頭では理解しきれず、いったりきたり再読中です~ よみよみ


そもそも当時の庶民はどのくらい文字が読めていたのか?と思っていたら
オスカルさんが暮らした頃は教育改革も進み、昔と比べれば
倍以上に識字率が向上した頃であったようです。
(それでも現代とは比べ物になりませんが)

ただ識字率には地域差も大きかったらしく、南フランスのモンペリエでは
文化施設が整い都市として栄えていたおかげか、職人の子供たちが
大勢、学校へ通っていたそうで、それをハイクラスの住人は
「読み書き習うより農地を耕し技術を身につけろ」などと評していたと か
 ※当時のそういう記事パンフが残ってる
子供に教育を施す事への親世代の意識差が、識字率として表れた形でしょうかネ~。


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「すっげえ!」とアンドレさんの持つ本からハートがこぼれまくりですが
実際 "すっげえ"描写でした。この時代の悪書さんてば。

ジャンヌ本と同時代のベストセラー(禁書)が、一部抜粋ですが掲載されていて
何気に読んだら、ストレートに「やばい…」内容でした。
会社の休憩室で読む本としては覗き込まれたら ちょーヤバヤバひ~
いつも昼休みは読書タイムでしたが、速攻持ち帰りましたデ~ス。

革命前の禁書は、宗教や権力批判するのにも、下ネタを混ぜ込む傾向があったようで
誰彼区別なく興味を引き、よりたくさん売るための手段のひとつだったとか。
人間ていつの時代もホント、わかりやすい生き物なんですネ~





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