2018年12月

pata

魔夜峰央先生の原画展にあったというコメントを教えてもらいました。
せっかくなので、こちらへメモメモ

【薔薇の秘密】
薔薇は初期以降は自分では描いていないです。苦手だったので。
池田理代子さんの薔薇が好きで、洋風で鋭角的なバラを描いているのを参考に
「これ描いて」とアシスタントに指示をしていました。
イラストの構図決めはもちろん自分でやりますし、他の不思議な生き物などは
下書きまで自分で描きますが、薔薇は「バラ」て文字で指定すると入ります。

魔夜先生が展示作品に寄せられたコメントから一文。

他にも会場では、パタリロ初期の辺りは一人で執筆していたので
一ヶ月で68枚全部ひとりで描き上げて死ぬかと思った、とか
服のシワは、さいとう・たかを先生"ゴルゴ13"を参考にされていたとか
先生ご本人によるコメントがたくさん付いているようです。
みてみたいかも~

そもそも展示されている原稿も、ほとんどホワイト等修正の入っていない
大変美しい原画だそうで…美術品並みかしら?
みてみたいかも~っ



米沢嘉博記念図書館1階展示室
2018年10月12日~2019年2月11日
(2018年12月25日~2019年1月10日休館注意)
http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-mayamineo.html




  戦後少女マンガ史   
米沢嘉博 新評社(→筑摩書房)


図書館の書庫から借り出したこちら
少女マンガの歴史が綴られた珍しい御本で。
"少女マンガ"ジャンルの通史というのは他にないようです

もっともこの本がでたのは昭和55年。
今から38年前に執筆された本という事で、登場するのは
少女マンガ黎明期から昭和54年(1979年)までの作品。

その中に、池田理代子先生の商業誌デビュー以前
貸本時代のお話が、ちょっとだけ載っていました。

「由紀夫くん」で長編デビューした池田理代子は、華やかな絵柄で
「ジェニーの肖像」をマンガ化した「水色の少女」や、今までとは
ちょっと違う友情物「あの空は」などを発表する。
~略~
彼女はその後「桜京」など、雑誌作品の原型となる長編を発表した。
派手な絵柄と、社会問題などを取り入れたストーリーに
知的興味のエピソード、時には少女マンガのパターンを
逆手にとることもやった池田理代子は、十作ほど描いた後、
雑誌に移っていく。
CIMG0197
若い線ですね~。
やはり時代時代なりの流行りの絵柄ってあるものですネ。

貸本作家としては、池田先生のみならず、大和和紀先生他その後
今に続く漫画雑誌で活躍された方々の名前もちらほら見えます。
一条ゆかり先生も、当時御本名で短編を描かれていたそうで
この本を読むまで知りませんでしたわ~




社会の中での漫画ポジション。
描かれる内容や表現の傾向・変遷など
様々な角度から少女漫画について綴られている中
ベルばらについての語りがあったので一部抜粋


「ベルばら」は決定した歴史のダイナミズムを障害とする愛のドラマとして
それまでの少女ドラマの帰着でもあった。
水野英子の「白いトロイカ」のロタが受動的に運命に身を任せていたとしたら
オスカルは能動的に運命に立ち向かう故に、人形としての主人公から
「キャラクター」へと進化し、劇的なロマンを創り出していったのである。
~略~
「ベルサイユのばら」と「エースをねらえ!」は『マーガレット』の黄金期を
作り上げた長編連載マンガの代表作だった。
そして、オスカルとひろみの二人のヒロインは、少女マンガにおける
少女の自立を体現していたのだ。





巻末には昭和20年からの少女マンガ史の年表があり
私的には青池保子先生のお名前も見えてわくドキ
萩尾望都先生もそうですが、昭和からずっと第一線で描き続け
それも少女マンガというジャンル世界から変わる事なく
現役で今も御活躍中というのは素晴らしいことですよネ。。。

個別の作家毎の作品ヒストリーなどは見かける事もありますが
通史としてまとまって全体を眺める事が出来るこちら貴重なのでは?

気軽に手に取れる資料としても、長く残って欲しいと思いましたが
この御本、肝心の紙質が元々上等ではなかったようで
図書なのにカバーもなく、本文も全体がすっかり黄ばんでおりました。

図書館でも一般の書架には並んでおらず書庫で眠っていたので
このまま埋もれてしまうには惜しい本だけどナ…と思っていたら
出版元を移動して、現在は筑摩書房(ちくま文庫)から
新たに発行されておりました。
少なくとも絶版ではないようなので、ヨカッタですわ~

anosoraha
↑2019.1追記:貸本の表紙


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